第40章

ホテルの一室で男と女のため息交じりの喘ぎ声が響く。もしたんすに近づけば一部始終を納めているビデオカメラの音がジーと見守る音がかすかに聞こえるだろう。
カメラの液晶モニターにはベッドで繰り広げられている模様が映っている。
女の顔に男がまたがり、秘部がカメラによく見えるように女の足を担ぎ上げてその部分を後ろ手で弄んでいる。高感度のマイクが二人の喘ぎ声を逐一捕らえ、明るい照明の中で女の腰の動きも男の先端から垂れて女の口内につながっている糸もすべて記録していた。


「ヨウコ…ヨウコ…もう…限界だよ…ヨウコも…我慢できないんだろ…あああ…」


「んああ…ああはあ…はああ…」


「腰が動いてるじゃない…」


陽子は自分の腰が動いてることにやっと気付いた。入口をかき回す指にひざ立ちの左足が支点となって反応していた。


「あああっ…」


陽子は動きを止めたが武史の指が入口をクニュクニュと揺らすとまた動き始めた。


「あああ…あああ…あああ…」


「ヨウコ…ヨウコ…くわえて…チンポ…しゃぶるんだ…」


「やっ…やあっ…やあっ…」


「…無理にとは言わないよ…しゃぶりたかったら…ヨウコから…しゃぶって…」


「…やだあああ…やあ…やああ…」


「…このままじゃ…あああ…顔に…かかっちゃうよ…」


「…はああん…やあ…ああんん…」


「いいかい?…しゃぶる前に言うんだ…あああ…チンポ大好き…チンポ欲しい…チンポしゃぶらせて…って…あああ…」


「…!!…あん…あああ…」


(自分からなんて…できない!…するわけないっ!…)


「はああ…あうっ!…」


武史の指がすこし深く入った。やわらかくなった膣の入り口をクニュクニュと動き回る。腰の動きが止まらない。


「あうっ…あうっ…あうんっ…」


「…言ってごらん…ヨウコはチンポがすき…チンポ舐め回したい…チンポしゃぶりたい…うああっ…」


新たな雫が乾いた鼻下にまた塗りつけられる。味覚嗅覚が武史の淫液に満たされる。


「あああ…うあああ…」


上を一瞬見上げた。鏡が、足を広げて腰を動かしている陽子の姿を映していた。テカテカ光るペニスが陽子の顔を狙っていた。


(言えないっ!…そんなこと…言うわけないっ…)


「はああ…チンポ…舐めて…あああ…ヨウコ…」


「あああ…うああ…はあああ…あううううんっ!!!!…」


武史の指が一気に根元まで入った。腰が喜びに震えた。しかし指が動きを止めた。


「???…あうぅ…??…あうぅ…はうぅん…」


腰がまた動いても指がいっしょについてくる。刺激がなくなり愛撫が止まった。
種火のまわりにガスがいっせいに吹き出す。ボウッと炎は一気に広がった。


「あうぅ…くうぅ…あうぅぅん…」


子犬のように陽子はうめいた。頭の中が白くなっていく。濡れた亀頭は糸でつながりながら唇のすぐ前にある。ヌラヌラしたピンク色の尿道口を凝視していた。


「…」


「くぅぅ…くうぅ…うぁぁ…」


(言っちゃ…だ…め…だ…めぇ…)


「…」


「…う…あ…」


「…」


「…ち…」


(はっ!…だめっ!…言っちゃだめっ!…)


「…」


「…ち…ち…」


「…」


「…ち…チ…チン…ポ…だい…す…き…」


「…」


(いやあっ!!!…いやああっ!!!!…)


「…チ…チ…ンポ…な…なめ…た…い…」


「…」


(だめええっ!だめえええっ!…)


「…チン…チン…ポ…チンポ…しゃぶら…せ…て…」


(い…い…い…いやあっ!…いやあっ!…)


「あああっ!…」


武史の指が動いた。すこし曲げてゆっくりのピストン運動だった。すごくゆっくり動いた。


(あああ…あああ…だめだめっ!…だめっ!…)


陽子の頭が枕から持ち上がった。


(だめっ!…いやっ!…あああっ!…)


「はああああ…あああ…あむっ…むむっ…」


陽子は自分からペニスに食らい付いた。大きく口を開けてピンク色の亀頭を頬張った。


「…むむっ…むむぐっ…」


「ああああっ!…ヨウコッ…ヨウコ…ヨウコっ…」


口いっぱいに粘液と味が広がった。ひときわ濃い味が脳天を突き抜ける。


「あああ…いいよ…ヨウコの中…きもちいいっ…」


「…んぐぅ…むぐぅ…んぐぅ…」


指のピストン運動が速くなった。腰が指を追い求めていっしょに動いた。
武史も腰を突き出し陽子の頭はまた枕に着地した。それでもなお、武史の腰は陽子を追い求め、亀頭から先が口の中に押し込まれていった。


「…んぐぅ…んぐぅ…むぐぅ…」


「あああっ…うあああっ…」


口にペニスが押し込まれて陽子の顔がすこし上を向いた。見ると鏡にあさましい自分が映っていた。男のペニスを押し込まれ、なすがままに口を道具のように扱われている姿だった。


(…わ…わた…し…しゃぶっ…てるっ!…入れられてるっ!…こし…うごかしながら…チン…ポ…しゃぶって…るっ!…)


武史の腰が動いて陽子の口をペニスが前後する。指の動きのほうがはるかに速かったが、喉に当たってむせらないように、斜め上を向いた陽子の口を犯していた。

経験のない陽子は初めて口にする男性器にただ口を開けて身を任せているしかなかった。


「んぐぅ…むぐぅ…んんん…」


「あああ…あああ…いい…」









しかしまもなくそのときは訪れた。


「…ヨウコ…あああっ…ヨウコっ…きもちいいぃ…もう…だめ…だ…いい…いい…」


「…んんんん…んんんーーー…」


「…ヨウコ…のんで…ヨウコ…のんでぇ…」


「!!!!!…んんっ!!…んんんーーーっ!…」


(この…まま…くっ…くちのなかになんて…)


「…ぜんぶ…のみほしてぇぇ…ぇ…こぼしたら…だめだよっ…」


「んんんんーーーーーっ!!!!…んんんーーーーっ!!!…」


(のっ…のめっ…ないっ…そん…なっ…のっ…のめっ…うっ!…うぁっ!…)


指がさらに大きく曲がり中をかき回しながら上下に動いた。
それと同時に親指の爪がクリトリスをかりっとこすった。


「んっ!んんっ!!…んんーーーーっ!!!…」


思わず陽子の唇が締まり、ペニスを中に吸い入れた。舌が亀頭をぐるっと包むように舐め回した。


「んあっ!!!…」


一瞬ペニスが膨れ上がりブルッと震えた。その直後、ビシュッと一気に大量の液体が中から吹き出し喉を直撃した。


「んんんんんんーーーーーーーっ!!!!!…ふんんんんんーーーーー!!!!!…」


「うあっ!!…んああっ!!!…」


粘度の高い固まりのような粘液が続けざまに飛び込んでくる。
口の中にあってもすごくきつい匂いを感じた。
以前情事が終わった聡が、ベッドの隅でスキンをはずしたときほのかに届いた異臭が、いま口いっぱいに踊っていた。


「と…とまらないっ…とまらないぃっ…」


「ふぐっ…うぁっ…ふまっ…うばっ…」


口を開けて隙間から吐き出そうとした。口とペニスの間から白い液がしぶきを上げて溢れ出て頬を伝いながら飛び散った。
そのとき武史の指がピストンしたまま手首も動かした。中を大きくかき回し、親指の腹でクリトリスを小刻みに揉み上げた。


「んんんんーーーーっ!!!…ふんんんんーーーーっ!!!…」


武史の指がきゅうっと締め付けられた。陽子の口が締まりまたペニスを包んで吸い込んだ。舌が動き中で痙攣するペニスをさらに這いまわった。


「あああっ!…だっ…だめっ!…ヨウ…コ…」


「ふんんんんーーーーーっ!!!!…んんんんんーーーーー!!!!!…」


舌が尿道口のほとばしりを舐め回す。
喉が開いて口の中にタプタプたまった液体が奥にドッとなだれこんだ。


「んんんんっ!…ごくっ…んんんっ!!…ゴクッ…ゴクッ…」


「あああっ!!…ヨウ…コ…ああああっ!!…」


膣の締め付けと同じリズムで陽子の喉が踊った。舌が動きながら量が減っていく噴水を陽子は喉を鳴らして次々と飲み込んでいった。


「んんっ…こくっ…んんんっ…ごくんっ…」


「ああっ…あああっ…ああっ…」







やがて指の動きは止まり、陽子の喉も鳴らなくなった。
武史はカラになるほど出したと思ったが口の中のペニスはまだ固いままのような感じがした。


「はあ…はあ…はあ…」


「んん…んんん…んんん…」


「はああ…ヨウコ…はああ…」


「んんんん…んん…んんん…」


そろりそろりと過度の快感を感じながらペニスを抜き取った。やはりなぜか固さを失っていないようだった。


「んぷあ…はあああ…」


口を離れた瞬間だった。陽子の息があたたかくペニス全体を包み、舌が引っ込む瞬間亀頭の下をこすった。


「うあっ!!…」


ビジュッ!!…


白い液が鼻穴を直撃した。


「んぶっ!!…」


陽子は反射的に目をつぶった。


「んああっ!!…ま…また…あっ…うあっ!!…」


ビュッ!…ビシュッ…


「ああっ…んんああっ…」


「うあっ!…んあっ!…んあっ!…」


頬に…おでこに…鼻に…耳をかすり…髪の毛にも…白濁液が飛びかい貼りついてきた。どろりと垂れて陽子の顔は精液まみれになった。

ペニスがやっと小さくしぼんだ。







「…はああ…はあ…はあ…」


「腰が抜けるかと思ったよ…ヨウコ…」


目をつぶったままの陽子の顔にしぼんだペニスを這わせ、武史は精液をまんべんなく鼻と口の周りに塗りこんだ。


「はああ…あああ…やえ…て…」


「…きれいだよ…ヨウコ…僕のもきれいにして…」


精液の糸を何本も引いている陽子の口に、しぼんで精液にまみれてるペニスをねじ込んだ。動かない舌に武史はペニスをすりつけ残った精液を口中の粘膜全体に塗りつけた。



陽子の腰はもう動いてない。武史は指をしずかに、しずかに抜き取っていった。

しかし陽子の膣の動きは、ゆっくりになっていたがさっきから間隔を置いて指を締め付けるときがあった。実際いま抜き取る間にもちょっとだけ締まった。
指が離れた瞬間、腰がブルっと震えた。武史は方に担いだ足を開放し、後ろに振り返ってソコを見た。大きくM字型に足が開いていた。
ゆっくりと小さく…ゆっくりと…小さく…陽子の膣が収縮を続けていた。






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