第17章
陽子は湯船のふちにひじを寝かせ頭をつけ座り込んでいた。お風呂へ湯を張り入ることにしたのだ。すでに先ほど身体を引きずって蛇口まで寄りお湯のコックをひねっていた。
(なんで…なんでこんな…わたし…)
昨日よりは軽い絶頂だった。だがこんな被虐的な思いをして自分を慰めたことはなかった。大体からして何かの状況を思い描いてシタことは今までなかった。
(わたしの身体…変わってしまった?…そんなはずない…そんなはず…)
湯が張るまで浴室を出る気力がなかった。早く自分をきれいな身体に戻したかった。
すると身体が冷えたためか急に陽子は尿意を催した。
(そういえばわたし…ゆうべここを出てから一度も…)
バスルームを出るために振り返った。シャワーが投げ出されたまままだ水流を出し続けていた。バスを張ってる音で気がつかなかった。投げ出されたシャワーはそのままに陽子はそのコックだけを閉めた。張っていった途中でひざにヌルッとしたものを感じた。先ほどの行為の跡だった。流れない粘着性の液体はタイルから小さな水溜りを浮き上がらせていた。
(ああ…)
陽子はまた座ったまま湯船の縁に身体を預けた。惨めだった。死にたくなるほど惨めだった。
(……………)
少しすると陽子のぺたんとタイルについてる尻部から黄色い川が流れ出した。音は水道の音にかき消されて排水口に向かってチョロチョロと流れていった。