第105章


「ぽかぽか、だ…」

車の中でそうつぶやくと陽子は"スパリゾート"を後にした。ちょうどおなかもすいた。さっき街の散策で蔵屋敷を改造したオシャレな喫茶店があった。戻ってそこに行ってみよう。友人と来たときはどんぶりをかっ食らったものだが、独りではまさかそんな気分にもならない。

遅い昼だったがランチタイムには間に合ったらしい。陽子はセットを注文した。値段も手ごろで出てきたものはちょっとしたイタリアン風の、いかにも女性向けな内容だった。
陽子はすべての皿をぺろりと平らげ食後のコーヒーをゆっくりと啜った。
心地よい店内だ。体もあったかくまどろんでしまいそうだ。


(…帰んなきゃなんないのか…)


帰れば地獄が待っている。陽子はこのまま消えてしまいたい気分になった。


(…今日も残業で来られなきゃいいのに…)


しかし男は陽子に部屋で毎晩待機するように命じた。怠った罰が決定的なだけに戻らねばならない。やってきたら今夜またいいようにもてあそばれるのだ。

そのとき温かい身体の中心に小さく熱い塊が出現した。マグマのようにぐぐっと周囲に熱を撒き散らす感じだ。


(…のぼせたかな…)


爽快感のほうが大きかったので陽子はそう考えた。家とは遠く離れた場所だ。欲情が湧き上がるとははなから思えなかったのだ。

陽子は車を出し家路に着いた。天気は夕方になって曇り始めていた。しかし当初の予定の展望台にはまわっていくつもりだった。あやふやな生活だからこそいったん決めたことはやり通すべきだ。自分をつなぎ止めておくために必要なことに思えた。

やがてフロントガラスに水滴がちらつき始めた。しだいにその数は増し陽子はワイパーのスイッチを入れた。人通り、いや車通りのない山道が続いた。この道はこの先にある小さな町の住人と、展望台目的の車しか通らない。平日のこの時間帯では当然のことだろう。


(…もう展望台に行っても無駄かな…そのあと家…ウチ…またあの…昨日来なかったんだから今日は来るんじゃないかな…そして…)


身体が熱い。中心の熱い固まりが大きくなっていた。

いつのまにかラジオの電波が届かなくなっていた。CDに切り替えるのにも気づかない。無音と単調なルートに、車の中で気分が集中していった。


…くちゃ…ちゃ…ちゅっ…


ふと気づくと自らの口が音を立てていた。いつからだろう。おそらくしばらく前から鳴っていたのだ。陽子は狼狽した。いつのまにか頭があの男の裸体を思っている。


「…んぐっ…」


目をしばたかせて唾を飲み込み平静を保とうとした。しかしすぐに思考は停止し、半開きの口になって舌が音を立てた。


…ちゅち…ちゅ…ちゅ…


(…ん…いや…)


なにか具体的な場面を想像してるわけではない。なのに身体がすごく熱い。おなかの中心にあったものが全身に回っている。全体が温まっていたので気づかなかったのだ。はじけそうな熱さだ。耳まで赤くなっているだろう。
陽子は小さな尿意のようなものを感じた。展望台に確かトイレがあったはずだ。それまで途中、他にあっただろうか。いや着くまで我慢できるだろう。そんなに強いものじゃない。


(…んあ…)


半開きの口の中で舌までが蠢き始めた。何度リセットしてもすぐ同じ状態になる。
雨が強くなってきた。ワイパーを速めて視界を改善した。しかしこの身体はなんともしようのないところまで来ていることを陽子は感じていた。


(…だめだ…)


ちょうど良いタイミングで山道特有の小休止場があった。陽子はウィンカーを照らしそこに滑り込んだ。宅配便のトラックが一台だけ先に停まっていた。広い場所なので離れた後方に陽子は停車させた。止まりきらないのに無理やりパーキングにシフトしたのでがくんと衝撃をもって車は停まった。


「…はっ…は…」


外は土砂降りの雨だった。すぐにエンジンキーをひねったのでワイパーがウィンドーの途中で止まり、激しい雨が視界を流していく。

身体がいまにも爆発しそうだった。急激に火照った身体がどうしようもなかった。目を一瞬つぶるとペニスの先から白い液が噴き出ていた。


「…んっ…ごくっ…んっ…だめっ…ごくっ…」


深呼吸をして落ち着こうと思った。全身が力んでいる。どうしてもこの状態から抜け出せなかった。また目をつぶるとあのホテルの場面か、開脚させられた自分の性器に亀頭が埋め込まれようとしていた。


「…いっいやぁっ…」


短時間の間に尿意が迫ってきている。もうどうしようもなかった。陽子はティッシュボックスから持てるだけの紙を抜き取った。そして身体を横に傾けティッシュの束を股間に近づけていった。


「…ウグゥゥッ!…」


股間に触れた瞬間、陽子の身体がビクンビクンと跳ねた。


「…ウアッ!ウアッ!…」


車内に陽子の絶叫が響く。目を閉じるとペニスが挿入される場面が映った。ピストンの動きではなく、挿入されるところだけが繰り返し繰り返し細かく何度も再生された。


…ジュゥッ!…ジュゥッ!…


身体が跳ねるたびに断続的に尿が飛び出していた。陽子は温泉を出てくるときにナプキンを装着してこなかったことを思い出した。


「…クゥッ!…ウウゥゥーーーーッ!…」


とうとう尿が流れ出た。抑えようとしても止まらない。ティッシュの表面が濡れだしたことを知ると、陽子はもう片方の手でボックスから次々とティッシュを取り出し股間に補充した。


「…アッ…ア…」


股間のティッシュの山が大きくなっていく。絶頂が去ったところでやっと身体が脱力した。股間を押さえながら、もう片方の手はボックスのティッシュを掴み、陽子はぐったりとなった。流れ出るオシッコは手のひらをしっとりと濡らしたところで止まり、陽子はぶるっと身体を震わせた。




目次へ     続く

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