第106章


「…はぁ…あはっ…あはっ…」


絶頂の後の余韻のため、陽子はしばらく動けなかった。


「…あはっ…あは…はあ…」


雨はしだいに小降りになっていた。おそるおそる股間の手を開けるとティッシュがぐっしょりとオシッコで濡れていた。陽子は新たに取り上げた紙でその大きな固まりをくるんで助手席に置いた。


「…はあああ…」


車内が尿の匂いで充満している。尿だけでなく身体から沁み出した淫猥な香りも混じっているのが自分でもわかった。
体勢を立て直し、平静を取り戻すのに結構な時間を要した。尿を絞ろうとするのか、膣口がきゅっと引き締まろうとする。締めるとまた出そうな気がして陽子はなんとか緩やかに力を入れすぎまいとした。そのため股間の中はぱくぱくと鯉の口のようにひくついた。そして陽子は気づいた。力を入れまいとしているのではなかった。

うまく引き締めることができなくなっている。

陽子はシートに座り直し、イグニッションキーを回した。エンジンはすぐにかかり、ワイパーがけたたましく動いた。速さを緩め陽子はエアコンをまわし、少し温かめの風を足元に流した。

ハンドルを切って再び道に滑り込む。全身になんとなく力が入らない。危険のないように陽子はのろのろと進んだ。


(…わたし…車ん中で…他に誰もいないのに…ひとり車ん中で…おしっこ漏らしながら…イッ…た…)


ヒーターが温まるとほのかに強いアンモニア臭が車内を駆け巡った。雨では窓を全開するわけにもいかず、少し開いた状態でもその匂いは消し去ることができなかった。化学の授業で嗅いだきついものとは違う、自分の甘い体臭が混じっていた。

展望台は通り過ぎた。雨で景色が濁っていただけが理由ではない。
ティッシュに全部は受け切れなかった。降りたらきっとスカートの尻部分に丸いシミができている。






目次へ     続く

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