第35章

粘液の糸で陽子の中心と武史の口がつながりながら陽子の腰はさらに下げられていく。


「ヨウコ…ニチャニチャ…おいしいよヨウコ…どんどん入ってくるよ…ゴクン…ンチャッ…口の中が陽子の味でいっぱいだ…とってもいやらしい味で…ほら僕も…」


雫がまた一つ糸を伝って流れていくのを見ていた陽子は武史の股間に視線を変えた。
ちょうどそのときテントの柱が一瞬下に引っ込んだ後、頂点のシミがその直径を拡大した。


「ああっ…」


いま陽子の両手は伸びきってかろうじてカウンターに届いていた。


「くうっ…うぅっ…」


腰が前に出ないように下げられているので指だけでしがみついたカウンターからついに手が離れた。


「うぅっ…わっ…」


ズンッ…

上半身が倒れると自然とひざが床に着いた。足が裏返り平でなく甲が下になった。
しかし手が前に出されたままだったため陽子の顔面が武史の下半身を直撃した。テントの竿には幸いあたらなかったがそのすぐ脇に顔が落ちた。異性の異臭が陽子の鼻覚を強く刺激した。


「…う…うぷっ…」


陽子は両手を床について身体を持ち上げた。持ち上げるときに顔を横に向けた。目の前にそれはあった。根元からテントが布を高く山のように持ち上げていた。パンツの穴はひとつのボタンで留めてあったが陽子の顔が布を引き下げたのだろう、穴がすこし開いてピンクの物体とすぐそばに黒味がかった包皮がすこし顔を覗かせていた。脈打ちながらヌラヌラと濡れて光っていた。


「…いっ…いやっ…やっ…」


陽子は上半身を浮かせると急いでパンツの布を引っ張りまたその物体を隠した。頂点の布に別のシミができていった。


「ああっ…あああ…ヨウコ…」


武史が喘いだ。


「…ヨウコの息あったかい…お腹にオッパイあたって気持ちよかった…おいしいよ…おいしいよ…ニチャッ…ニチャッ…」


陽子はまた自分の股間と武史の顔に目を戻した。もうほとんど距離はなかった。武史の舌は上に高くそびえたち、舌先が糸の源流をとらえるところだった。


「もっほ出ひて…ヨウホ…」


「…いやっ…やめてっ…やめてっ…」


男の力にはかなわなかった。懸命に立とうとする生まれたばかりの仔馬のように、陽子は四つんばいで武史の顔に股間を近づけさせられていった。


…チロッ…


「くあっ!」


全身に稲妻が走った。武史の舌が穴の中心を捕らえた。


「あうっ!あうっ!やっ!あうっ!」


武史の舌がチロチロと小刻みに震えた。下半身に力が入らなくなり武史のなすがままになった。


「あふっ!あうん!ああああ…」


液がとめどなく流れ出した。引き締める力がしだいに失われていく。

入り口をチロチロとしてやると面白いように武史の口内に液が流れ込んでくる。流れこむ川に勢いがなくなったのを確かめると武史は舌を振るわせながらさらに奥へと開きながらねじ込んでいった。入り口は拒否することなく武史の舌を喜んで迎え入れていった。


「うあっ!うふぅん!うやっ…」

(はいってくる…はいってくるぅ…)


ヌメヌメと蠢きながら生き物が身体の奥に侵入してくる。武史の息があたたかくあたっていた。トロトロと流れ続ける液を飲み下しながら武史はさらに陽子を引き寄せた。大きく開いた口が全体にキャップをかぶせるように覆った。武史が呼吸を鼻のみでするようになり、陽子の肛門に冷たさと温かさの風が交互にあたった。武史は舌を小刻みに動かすのをやめ、ゆっくりと大きく回していった。


「うぐあっ!うふぅんん…くぅぅん…うあっ!…」

(…かきまわさないでええ…なか…なか…中から舐めないでええ…おしり…おしり…おしり…嗅がないでええ…)


入り口は舌を締め付けないがその奥はグニュグニュと蠢いていた。ザラッとした壁もヌルヌルした壁もわれもわれもと舌に巻き付いていた。陽子の腰がもう離れる力を持たないことがわかると武史の両手は離れてシャツの中に入り陽子の豊満な胸を捕らえた。


「ふあっ!ああっ…ふぅぅんん…くぅぅんん…」


武史の舌がゆっくりとリズムを持って陽子の中に抜き差しを始めた。ゆっくりといれて中を充分舐め回したあとおあづけを食らわせるようにスッと引き抜く。それを繰り返した。


「うあっ!…あああう…ふっ…ふあっ!…うああ…うう…う…くあっ!…」


すると陽子の腰に変化が表れた。密着部分をずらさず角度を変えて武史の口に自らを押し付けていた。正上位時の男性側のいやらしい腰の動きに似ていた。押し付けは武史が中を舐め回してるときが一番強かった。


ゴクンッ…


武史が喉を鳴らした。陽子の流し込む液体をおいしそうに飲み込んでいた。


ゴクッ…ゴクンッ…


「ああっ!…ううううーーー…うっ…やあっ!…くっ…くぅぅーーー…くっ…はああっ!…」


(…こしが…腰が…なんで…とまらないぃ…)


陽子の両手がガクガクと震えた。そのとき、腰を動かしながら陽子の視界が一瞬暗くなった。上でなにかが明かりを遮った。


(ハッ?…)


武史の右足が上がって陽子の左肩に触れた。武史のももが陽子の後頭部に触れ、一気に重みがかかった。陽子はひじを床につけたがそれすらかなわなかった。顔がグレーのパンツに押し付けられた。


「フグーーーー!…フグッ…フグッ…」


武史の体臭が脳天を突き抜けた。いやがおうにも肺の奥に入ってくる。こめかみには武史の肉塊が張り付いていた。ビクンビクンと脈打っていた。


「フググッ…フグッ!…ウウゥゥ…ウ…ウグッ!…」


腰が依然動いていて武史の舌をむさぼっていた。体中の空気が武史の体臭で埋め尽くされていった。頭の中が痺れ、だんだん薄れていった。


「…フウゥン…ングッ!…フアァ…アフッ!…」


(…くさい…あああ…かきまわさないでえ…あああ…く…さ…い…ああっ!…なかでニュグニュグしないでえ…ああっ…いやだ…いやだ…ああっ!…ああぅ…ああぅ…も…っと…ああっ!…もっと…おく…まで…においが…ああっ!…)


武史は舌が締め付けられるのを感じた。奥まで一気に差し入れると大きく早く中をかき回した。


「ンンンンーーーー!……フグウゥゥゥーーーー!…」


陽子の腰が一点を残して感覚をなくした。下半身が消失したようだった。残った箇所は舌を差し込まれた穴の奥だけだった。


(…うくっ…浮くッ…からだが…浮くッ…)


「ンンンンーーーー!……フンンンーーーー!…」


舌の根元がキュッキュッと締め付けられた。われもわれもと舌先に粘膜が蠢き絡みついた。締め上げるたびにドロドロと粘液が武史の口中に注がれていった。


「フウウウーーーー!……ングウウーーーー!…」


舌はなんかいも締め付けられた。武史は舌の動きを弱めて止めた。それでも締め付けはおさまらず5,6回の収縮をみせた後、そのスピードは弱まりやがて動きを止めた。

喉にはまだ飲み干しきれない液がたまっていた。舌をゆっくりと抜き取ると奥に残った液がまた口に流れ込んできた。足を上げ頭を解放してやると、武史はゆっくりとそれを口の中で味わい、満足そうに喉を鳴らして飲み干した。


…ゴクンッ…


「プハアッ…はあっ…はあっ…はあっ…」


陽子は放心状態で完全に全体重を武史に預けていた。武史は口を離していま自分が口で犯したそこをしばらくみつめていた。ゆっくりと小さく喘ぐようにパクパクと動いていた。


「はあっ…はあっ…はあっ…」


陽子のうつろな視界の端にいまだそびえたつグレーの山があった。





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