第24章
陽子は下着を穿き替え、ぬめりを取り去ると絨毯にティッシュを何回もあてながら武史との連絡方法を考えていた。武史は陽子の電話は知らない。知ってるがこちらから武史に連絡するのは絶対に嫌だった。共通の場所は…。あのファミレスでずっと待っていようか。陵辱を受けたあの丘には死んでも行きたくなかった。そもそも知り合ったのは…。
伝言ダイヤルだ。あのいやらしい魔の巣窟。
(そうだきっと武史は陽子のBOXに新しい伝言を入れている。いやらしい下品な言葉に交えてなにかしら条件を出しているだろう。そして会って…なにか…されない内に逆になんでもいいから弱みをこちらが握ってやる。写真を公開したらすぐさまそっちの弱みも公開すると逆に脅してやるんだ。交換条件だ。あんなやつ、あんなことするやつはきっと気が小さい小心者だから、それで私のアレはやつの手から出ないようになる。きっとそうだ…)
陽子はレディースコミックと電話を手にした。雑誌はすっかり折り目癖がついており目的のページは自然に開いた。
(今度はどんなことを…)
「23件の伝言が入っています。」
(…こんなに…なにを考えているの…おとこって…)
伝言は次々に再生されていった。
「おはよっ。僕の奴隷になってよ。君のオマ…」
「当方56歳になる結婚している男性です。囲っていたじょ…」
「…………お前の身体を動けないようにしばっ…」
「18歳の学生です。僕の童貞をうばっ…」
「…ハア…ハア…ハ…」
陽子の指がボタンを押し続けた。あの声を、明るく落ち着き払ったあの声を探していた。
まともそうな伝言もいくつか入っていたがもう信じなかった。
(実際どんなもんだか…)
「…グチョグチョなんだろ…オマンコ濡れてしょうがないんだろ…みせてみろよ…大きく股ぐら開いて声出してみろよ…」
その伝言が陽子の耳についた。そのとおり陽子の股間は言われたままの状態だった。
(ああっ…)
陽子は一呼吸遅れてボタンを押した。それからはボタンを押す指の動きが遅くなった。
「…僕毎日オナニーしてる…精液いっぱい出るんだけど何回してもおさまらないんです…出なくなるまで飲み干して…」
「俺は32歳の子持ちなんだけど、もしよか」
「四つん這いになってオマンコもアナルもさらけ出させてしゃぶってやる…」
(ああああ…)
聞き覚えのある声があった。
「はじめまして。寂しいのはお互い様。僕も君と同じような状態なんだ。仲良くしようよ。経験はあるから…」
最初に聞いたのと同じ内容だった。武史は新しい伝言を入れてなかった。
(入ってない…)
股間はまた熱くなっていてじわじわと淫液を染み出していた。