第141章
武史が尻の真正面に向き直った。閉じたくちばしを肛門にそっと当てた。
「…ひっ…やっ…いやっ…」
「…力を抜いて…」
ぐっとそのまま押し当てられる。金属ではないのでその特有の冷たさはない。肛門口がぐわっと広がってくちばしを頬張った。
…ズスーーー…
「…あ…あ…」
豊かな潤滑油のせいでつるつるのプラスチックは無理なく侵入した。穴はいったん広がり、それ以上はそれほど広げられなかったが、緩やかに奥へ奥へと侵入してくることははっきりとわかった。
「…は…あ…」
「…そう…口を開けて…深呼吸して…」
器具の挿入が止まった。陽子のアナルは楽に肛門鏡を呑みこんだ。
「…はい、ご開帳…」
そして肛門がさらに広げられた。内側の粘膜も押し広げられていくのがわかる。くちばしがさっき見た形に広がろうとしていた。
「…ああっ…やっ…いや…や…みない…でっ…」
「…口あけてな…」
不思議と痛みはなかった。きついことはきつい。しかしさっき風船にはさまれたときよりも楽なような気がする。それほど柔らかくされてしまったのだ。
肛門口ではなく中奥のほうに冷たい外気が飛び込んでくるのがわかった。開ききったところで男の手は離れたが器具はそのままだった。きっと嘴の先のほうが大きくなっているからもう抜けないのだ。遮蔽物を取り去られて、閉じられない肛門が内部をさらけ出したままになった。
「…うわ…うわああ…きれい…きれいだよ…陽子のケツのあなんなか…」
「…ああああ…みないでぇ!…いやああ!…なか…みないでぇ!…」
「…よく見えるよぉ…あああ…ヌメヌメして光ってる…」
事情が違う。さっきは開かれながらも入っていたものがあった。しかしいまはふさぐもののない開きっぱなしの状態だ。外界の空気にさらされるのさえ初めての部分である。二人とも全神経をその一点に集中させていた。
「…もっとよくみせて…もっと…」
男が視点を動かさずに手探りで掴んだものはペンライトだった。スイッチを探り当てて光を灯し、顔のそばへ見せ付けるように寄せてきた。
「…いやああ!…そんなっ…いやああ!…」
「…すごい!…ヒクヒク動いてるよ…ヌラヌラ光って動いてる…奥に蕾みたいなのがあって…あそこからウンチ出てくるの?…」
「…みないでっ!…そんな…いわないでっ!…」
…じゅぷ…
(…あ…ああ…あ…)
覗いている。画面ではペンライトと男の顔が器具の中を覗きこんでいる。いろんな角度に姿勢を変えながら覗き込んでいた。ライトが発する光の熱に中を照射されているような感じがする。初めて光を当てられた器官奥に男の吐息が飛び込んできて浴びせられるのもわかった。
「…すごくきれいだ…信じられないよ…こんなとこから陽子のウンチが出てくるなんて…するときはこんなか、ウンチでいっぱいになるんだね…」
「…ああっ!…だめぇぇ!…みちゃいやぁ!…」
…ぷちゅ…
「…そう考えるとすごいな…陽子の身体の中を、初めて見るのが陽子じゃなくて僕なんだ…」
男はデジカメを手にした。
…キュイーーンン…
「…うああっ!…いやっ!…」
…パッ…
「…イヤアァッ!…」
…ぶちゅるるる…
ストロボが光ったとたん陰唇から愛液があふれ出た。引き締められない身体がいっそう多くの淫液を吐き出した。