第129章
「…いやっ!…もう出ないっ!…もうっ!…全部出たからっ!…」
「…これには方向があるんだ…こっちが入り口…こっちが出口…」
男が示した"入り口"が画面の外に消えた。ちゃぽんと音がした。
「…この握りをつぶすとこうなる…」
…じゅるっ…じゅるっ…
"入り口"が落ちた先は洗面器だということはすぐに察しがついた。数回握りがつぶされると水を吸い込む音がして、そのうちぷるぷると震える黒い"出口"から透明な水が飛び出した。
…じゅるっ…ぴゅぴゅっ…
「…いっ…いやっ!…」
「…管の中には逆流止めの弁がついてる…いくらやっても戻ることはないんだ…」
「…やめてっ!…やめてっ!…」
「…それでも陽子がお尻を緩めれば入れた先から出てきてしまうよね…それじゃあ奥まできれいにできない…だからコレを使う…」
男は"出口"にさらに黒いゴム管をねじりこんだ。オレンジ色に変わってその"コレ"が画面に現れる。指より少し太いぐらいの黒い棒だった。エネマシリンジにつながる他にやはり黒いゴム管が根元からもう二つ枝分かれして伸びていた。その先にはそれぞれ緑のゴム球がぶらんと垂れ下がっている。
…ぴゅっ…ぴゅっ…
「…ああっ!…いやっ!…」
確かにそのアタッチメントはエネマシリンジとつながっていた。オレンジの握りをつぶしたのだろう、黒い棒の先からまたもや水が飛び出した。
しかし陽子が本当に驚愕するのはここからだった。
「…そしてコレで空気を入れるんだ…」
緑のゴム球が一つ握られた。
…しゅっ…しゅっ…
音と共に棒の先端が膨らんでいく。全体ではなく前半分だけが、外膜を離れたゴム生地の表面を張り詰めさせながら大きくなり、棒と垂直に平べったく直径5CMぐらいに形を成した。
「…そっ…そんな…そんな…」
「…これで内側から栓をする…そして…」
…しゅっ…しゅっ…
もう一つのゴム球が握られた。今度は棒の後ろ半分が膨らんでいく。そして同じ大きさの風船が並んだ。風船と風船の間には一切隙間がない。
「…これが外側…どうなるかわかる?…これで陽子のお尻の穴は両側からぴっちりと固定されるんだ…」
「…い…い…や…」
あまりの驚愕に声も出ない。こんな悪魔の器具が世の中にあることなど当然知らなかった。
「…この状態で…ほら…」
…ぴゅっ…ぴゅっ…
二つのコブが膨らんだまま棒の先端から液が飛び出した。
「…あ…あ…」
「…空気を抜かない限りいつまでも入っていくよ…いくらふんばっても漏らせない…陽子のケツの穴はドクドクと浣腸液を流し込まれ続けるんだ…」
「…いやっ!…いやあーーーっ!…」
異常な事態に顔が蒼ざめ叫んだ。これはSEXではない。男は自分の身体を使って淫猥な人体実験を施そうとしているのだ。
ぶるぶるっと身体が震えた。
(…あっ…あっ…)
…とろっ…
内腿にしずくが一筋伝い降りた。震えたからだ。陽子は目を見開いて思った。
身体がぞくっとしたが濡らしたはずはない。なにかの間違いだ。そうだ、さっき入った男の精液だ。絶対に震えたために落ちていったのだ。
「…浣腸と聞いただけで濡らすかい…すっかり変態だね…」
「…ちっ…ちがうっ…これはちがうのっ…」
「…ちがうもんか…」